世の中は九分が十分

7年の不妊治療とか、横浜市保活激戦区での保活のこととか、日々の愚痴とか。ジーナ式で育児してるので?今んとこ育児はイージーモードです!?

7年の不妊治療を振り返る⑩~心から喜べなかった妊娠期間~

こんにちは。giraffeです。7年の不妊治療を経て出産したムスメを、横浜市の保活激戦区で育てながら、ジーナ式にて育児に取り組んでいます。今回は妊娠判定陽性となってからの話になります。今現在治療と向き合い、そういう話が苦しい方には無理にお勧めしませんが、心が落ち着いている時に読んでいただけたらと思います。治療期間が長かったからか、妊娠したからといって手放しでよろこべなかった、というような内容です。

 

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妊娠判定が陽性になるときはくるんだろうか。出たらどんな気持ちになるんだろうか。治療をしている7年間、最後の9回目の移植まで一度も着床すらしたことがなかった私たちは、待ち焦がれている陽性反応が出た時にどんな気持ちになるかなんて、全く想像が付きませんでした。でも多分、信じられないくらい嬉しくて、涙がこぼれて、幸せな気持ちになるんだろう、と思っていたのですが…

 

9回目の移植の判定日の日、検査・内診の後の診察で医師に告げられた言葉は、"ん~微妙だねぇ"でした。はじめて着床はしている。けれど、BT12の判定日でhCG50でなんとか着床(一応陽性反応)と診断してくれるクリニックで、その時点でhCG56。このまま妊娠継続できる割合は、半々かな、というところでした。ここから先は受精卵の生命力を信じるしかないからまた来週ね、ということでクリニックを後にし、夫に報告。夫の一言目も"微妙だね(笑)それで次の関門は?"でした。

今まで何度も移植をし、一度も着床すらしていなかった私たちは、一度着床したくらいでそのままうまくいくとも思えなかったし、どう考えても数値的に微妙すぎて、喜ぶことも、不安になることもできず、ただただ微妙だな、と思ったのです。それにどうやらクリニックを"卒業"するまでには、まだいくつも関門があるらしい…とりあえず着床できることがわかったことを収穫と思おう、と言い聞かせ、翌週の再判定を待ったのですが…

再判定前日、クリニックの休診日に突然大量出血をしました。期待はしていなかったはずなのに、やばいやばいやばい!という感情でいっぱいになり、震える足で近所の婦人科へ。幸い出血以外に異常はなく、翌日のクリニックの再判定でも無事にhCG値も上昇していて晴れて妊娠確定となったのですが、幸先の悪いスタートとなったことは確かです。これが機となり、やっぱり今までの治療と同様、結局ダメな結果が待ってるんじゃないか、この先もうまくいかないんじゃないか、無事に出産できるかどうかなんてわからない、という警戒心が先に立ち、いつ喜んだらいいのかわからない、という状態になりました。クリニック最後の日も、感慨深くはあったけれど、不安の方が大きかった。いつだって私たちは、悪い予感の方が当たってきたから。ハズレくじばかりひいてきたから。だから今回だってそうなってしまうかもしれない。現に、妊娠期間はもとより、産まれるその瞬間まで全くもって順調ではなく、何度も肝を冷やしました。

まず産院に転院した直後、再びの大量出血により即時の緊急入院となりました。出血量もさることながら、内診を終えた医師に"非常に事態は深刻です。最悪の場合を覚悟してください"と言われ、やっぱり私たちはこういう運命なんだ、と病室のカーテンを閉めた途端、涙がでてきました。めずらしく、"なんで俺たちばっかり!"と言った、あの時の夫の表情が忘れられません。しばらくの間入院をし、退院後も長期間の自宅安静をしました。その後妊娠期間を通し度々出血があったので、夫は私以上に私の体調変化に過敏になってたように感じます。自分で感じることのできない、体調の異変。しかもそれが、胎児の死に直結するかもしれない。相当のストレスだったと思います。

そして、陣痛中・分娩中に、胎児の心拍がかなり低下したこと。どちらの時も、大勢の医療スタッフが陣痛室や分娩室に駆け込んでくるやいなや、私は酸素マスクをつけられ、夫は廊下に出され緊急事態に備えた書類の説明やサインを迫られ…後に夫はこの時の心境について、状況も状況だし、医療スタッフの言動を見ていて、最悪の事態を覚悟した、と言っていました。最後の最後まで、俺たちは悪いクジをひいてしまうんだ、って。夫は基本的に私と違ってマイナス思考ではないのですが、そんな夫でさえこんな風に思ってしまうほど、私たちはずっと、最後まで、心から喜ぶことはできなかったのです。

 

本来幸せに溢れて、産まれてくる子に思いを馳せ話に花が咲いたり、色々買いそろえたりするはずの時間だったのに、私たちはそれがあまりできませんでした。妊娠報告も最低限にしかせず、息をひそめていた、という感覚です。今まで嫌と言うほど、期待をしては落胆してきたから。それに今度の場合は、喜んだ後の落胆どころでは、きっとすまないから。治療期間と同じように、できるだけ気持ちを高揚させないように過ごしていたし、こうしている間にもしかしたらお腹の中で心臓が止まっているかもしれない。どうかなにも異変がありませんように…。そう思う方が先で、無条件に喜び、無事に産まれてくると何の疑いもなく信じるなんて、結局最後までできませんでした。